では、前提条件認識力を鍛えていく回の第二弾(多分これが最後)として、ドル円を見ていこう。

 

分かりやすい題材として、俺が良くファンダメンタルズで最も重要といっている、金利との関係を見ていこう。

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まず、上がドル円のチャート。そして下が米国10年債利回りのチャートだ。(bloombergで作成)
当たり前だが、ものすごく似ている、というわけではないことがわかる。

 

なので、この時点で、盲目的に、「米国が利上げするのだから、ドル円はこれからも上昇し続ける!」というような論調は全くあてにならないということがわかるだろう。

 

では、詳しくみていこう。

そもそも、ファンダメンタルズとして金利と通貨に関係があるのは既にファンダメンタルズ分析の回や、FX攻略.comでの連載で示していると思うので、全くドル円と十年債で逆の動きをしているところを重点的に見ていく。

 

基本的には、尺度の差はあるが、2009年から2013年までは比較的ファンダメンタルズに近い動きをしていることがわかると思う。

大きく乖離しているのは、2014年だろう。ここでは、米債利回りは下がっているのに対して、ドル円は上昇基調を崩していない。

 

「いや、これだと米国債利回りだけではないか。このグラフだけでは、2012から2013も怪しいぞ。さらに、ドル円なのだから円債利回りとの差をみなければならないだろ」

 

と考えたあなたは、しっかりとついてこれている。

 

さて、下は米国債と日本国債の利回りの差をとったチャートだ。ドル円という通貨をみるのであれば、こちらにより相関性が高いことが見て取れるだろう。

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これを見ると、先程より2012~2013年の相関性がきれいに出ていることが分かるはずだ。

だが、ここでもやはり、2014年は金利では説明がつかない。

 

では、それは何かというと、みなさんもお気づきの通り、「黒田バズーカ」に他ならない。

 

黒田バズーカ、というよりは、正しくは日銀による金融緩和だ。

つまり、このファンダメンタルズである金利差と、ドル円の水準の差が、金融緩和の力と考えて良いというわけだ。

そして、再度この金利差とドル円が乖離している相場が存在する。

 

それは今だ。

明らかに、2016年に日米金利差はほとんどレンジ圏内を推移している一方で、ドル円は2016年に大きく下落している。

これは何故なのだろう?

 

そこで、ここからの推論のために、もう少しさかのぼって考えてみたい。

 

上の二つのチャートは、確かに相関性はあるが、明らかに2009~2012年と、それ以降で”水準感”が違っているのがわかるだろう。

つまり、2009~2012年では、金利差は今よりもあるのに、ドル円の絶対水準としては、今より下、つまり円高方向に移動していることがわかる。

 

これは、リーマンショック以降であることを考えると、「リスクオフによる安全資産逃避」による現象だと大雑把に理解できる。

つまり、ドル円の本来のファンダメンタルズである金利差に対して、”リスクオフ”という要因分下に行っていたわけだ。

 

では、この2016年の下落はなんなのだろうか。

ここからは俺の推論だが、やはり大きいのは、日銀の金融緩和期待の剥落だろう。

 

2014年の上昇はほとんどそれだと考えてもいいくらいなので、それが剥落したことで一気にプレミアムが消えたと考えられる。

 

だが、それであれば、現状2013年末の水準より金利差は縮小しているのに対し、ドル円相場は若干上げてはいないだろうか。

 

これを、「その分ファンダメンタルズより乖離しているのだから、円高にまだ振れる素養がある」と解釈するのか、
「ある程度2013年の段階でもリスクオフによる円高プレミアムがついていたと考えれば、現在の水準程度がフェバリューくらいで、むしろこれから世界的なリスク要因が顕在化していくにつれてさらなるリスクオフ円高プレミアムがついて円高に振れる可能性がある」と解釈するのか、

 

はたまた、「これは今再度の米国の利上げを視野に入れているのでさらに日米金利差が広がることを織り込みに行っているのであり、傾向としては今後円安方向に徐々に振れていく」と解釈するのかは、自由だ。

 

だが、例えば「米国が利上げするんだから円安!」という話を正当化するには、今までの議論を踏まえて、さらに上で挙げた3つめの仮説が他の2つよりもリーズナブルであることを示す材料がなければ、それだけではただのあてずっぽうと同じであるということだ。

 

勿論、俺は何度も言っているように、為替相場にとって大切な要素は、金利水準と、為替レートそのもの、つまり、ファンダメンタルズとテクニカルである。

テクニカル的には、100円というレジスタンスとサポートの転換ラインを現在試しており、確率としてはここから上に反転する方が高いだろう。

 

なので、今までの議論の大きな前提条件として、「ファンダメンタルズで相場は動く」というものを置いている。

 

前回と今回で、前提条件に気を付けながら、過去の相場と今の相場から何が言えるかというのを少し見ていった。

勿論、相場の分析には切り口は無限大にある。

だが、無限大に切り口があるということは、無限大に前提条件が置けるということであり、その条件の妥当性、そしてそれが変わるタイミングってのには常に注意を払わなければならない。

 

昨日今日は内容が少しハードだったと思うが、是非このような思考のトレーニングを習慣づけるようにしてほしいと思う。(最低でも、いわゆるアナリストやセミナー屋が言っていることを鵜呑みにはせず、自分で前提条件を掘り下げれる程度には)

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