さて、よくこのブログでは、マーケットの価格はランダムウォーク、つまりリターンが対数正規分布になるという理論は間違っているとさんざん言ってきた。

 

これを定性的な理論背景から説明することがほとんどだったが、今日は定量的な背景からこれを説明していこう。

 

為替でも、日経平均でもなんでもいいんだが、その原系列の回帰線との乖離幅に対して、フーリエ解析を適用し、波を抽出する。

 

その波を、周波数順に並べ、横軸に周波数、縦軸に波の振幅(波動に含まれる乖離幅)をとる。

 

そうすると、ある特徴が浮かび上がる。それは波の周波数が大きくなるにつれて、その振幅は小さくなるという特徴だ。(ここまでの分析はExcelで簡単にできるので、読者もやられてみると良い)

 

こういう特徴のある波を、1/f揺らぎを持つ波と呼ぶ。

 

ここで、1/f揺らぎとは、波が不安定に揺らいでいる状態を意味する。この性質にあるのが、周波数の小さい波は大きく振動し、周波数の大きい波は小さく振動するというものだ。

 

実は、自然界における波のほとんどが、この1/f揺らぎという性質を持っている。

 

さて、もしランダムウォークに価格が動くのであれば、そのリターンの系列はホワイトノイズと呼ばれる系列になるはずだ。(つまり平均0,分散σ^2の正規分布に従う系列)

 

ここで、このホワイトノイズは、周波数と振幅に、関係性がないことが知られている。

 

つまり、1/f揺らぎを持つ波は、ホワイトノイズではないということだ。

 

ここで先程の話に戻ると、為替や日経平均などの回帰線とのかい離幅は、1/f揺らぎの特徴がある波であった。つまりホワイトノイズではない。

 

更に細かくいうと、1/fではなく、1/f^(x)である波だということが計算してみると分かる。

 

こういった、1/fのべき乗の揺らぎをもつ波の性質を、「べき分布に従う」という。

 

これにより、定量的にもマーケットのリターンは、「正規分布」ではなく「べき分布」に従うことが証明できたわけだ。

 

なので、マーケットはランダムウォークではないということが、定性的にも、定量的にも言えるということになる。

 

さて、この誤った仮定がいかなる問題を引き起こすのであろうか。これは、デリバティブ市場に大きくかかわってくる。

 

正規分布であれば、ボリンジャーバンドを考えてもらえばわかるが、4σと考えられるようなリターンの変動はほとんど起きないということになる。

 

ただ、みなさんも経験があると思うが、ボリンジャーバンドの3σを大きく超えるような値動きなんて、かなりの頻度で起こることがわかるだろう。+-4σが起こる確率がそそれぞれ0.005%であることを考えると、明らかにおかしい。

 

これは、まさに正規分布を仮定しているから起こる現象だ。べき分布であれば、もっとその4σの確率が高いことがわかる。実証的にも明らかだ。

 

つまり、正規分布を仮定することによって、「大幅な価格変化のリスク」を過少に見積もってしまっているということが分かるわけだ。このため、時折デリバティブ市場で、崩壊的な損失がみられるわけだ。LTCMの崩壊も、大きな部分がここにあるわけだ。

 

「マーケットはランダムウォークではない」ということは、定性的にも、定量的にも明らかなことであるということを、しっかりと知っていることは重要だ。これを心底理解していなければ、自分達が何をやっているのかもよく分からなくなるし、本当の意味で自分達のルールの確率的な揺らぎを理解できなくなる。

ランキングポチは必ず頼むぞ。読み逃げは厳禁だ。

人気ブログランキングへ
にほんブログ村 為替ブログへ
にほんブログ村

売買ルールを手に入れたいなら、、、
動画講座はこちら
売買ルールの実践練習に、、、
チャートブックはこちら