チャート上に出来上がる「証拠」からトレードの精度を上げよう

今回は裁量トレーダーにすごく必要なことを解説していきます。

これを理解することがFXトレーダーとして上達していくためには必要といえるほどです。

例えば、FXに関する動画とかWEBサイトとかを見つけると、こうするとエントリーできます!鉄板エントリーポイントです!というものが多いですよね。

確かにそれも重要ですが、どうなったらエントリーしないのか、どうしたら失敗しないのか、ということも同じぐらい重要ですよね。

よく言われるのは、シナリオと合致しなかったらエントリーを控えるとか、フィボナッチの数値までたどり着かないのであればエントリー控えるとか、いくつもありますが、チャート上で考えるものってそんなに単純なものでもないように思います。

この裁量トレードをしていくうえで重要な、シナリオにどのように合致しなかったらエントリーしないのかという部分について直近のポンド円のチャートを使って解説します。実際に私がリアルタイムで見ていて考えていたことでもあります。

チャートの値動きのでき方を見て、細かい部分も見てシナリオを適宜修正していくのがトレーダーの仕事なのです。今回はそんな場面を取り上げていきます。

見送るべきポイント

値動きの証拠を見てから判断するのですが、黄色の枠で囲ってある部分が今回取り上げる相場です。エリオットなどのテクニカルが効きにくい場面でした。

黄色の枠のこれから出来上がる右側の相場は、どのようになっていくのでしょうか?ちなみに、私は「買い」目線でした。

5分足でみるとこのようになっています。黄色の枠はどのようになっていくのでしょうか?買い目線だったのですが…これを見て買うのをやめました。

この値動きが作られたので、買うのを控えたのですが、控えるための決定打になったまでで、それまでにも「買いが怪しいな」と思う場面はありました。

裁量トレードをするためには、この「怪しい」「信用できないな」とかそのようなものに敏感になってトレードをしていく必要があります。

これが値動きを考える、ということです。裁量トレードにはチャート上の証拠を見て考える必要があって、今回はどういうところで怪しいと察知したのかを解説していきます。

なぜこの相場で買い目線だったのか

まずはなぜこの相場で買い目線だったのかということから話していきます。この黄色枠の部分を拡大します。

買い目線なのか決めかねる相場

こちらです。上昇は戻しのない直線的な上昇でした。それに対して、下降がFR61.8付近まで達したので、上昇も強いが下降も同じ程度強い。値動きをつくための時間(横軸)はどれぐらいかかっているのかと考えると、下降の方が時間がかかっているように見えます。

そうすると時間をかけて下降してきたな~と思うのですが、この程度だと誤差の範囲で、今後の値動きの作られ方によって次の相場を予測する方が良さそうです。

ではこの後にどのような相場になったのかというと、このようになりました。

買い目線に決めた相場

この黄色の枠の部分です。

徐々に上昇して、5分足200MAの上に乗って、直線的に上昇していきました。

これを見て買いの力が強いと判断して、次に変える場面を探そうと思っていたのです。

候補としてはこちら

  • 上昇に対してのFR38.2付近、且つ、200MA
  • 上昇に対してのFR61.8付近、且つ、頂点からのFE161.8付近

さらに良い下降の仕方として、上昇よりも時間をかけてエリオット的に下降してきてくれたらすごくエントリーとしてはおいしい場面です。

実際には、ジグザグしながら時間をかけて下降してきてくれました。

上昇に対してのFR61.8付近で買いたいと思っていたところ、ワンタッチで上昇してしまい、取り逃がしてしましました…なので、上昇が確認できたので、その押し目を待ってから再エントリーを狙います。

ただ、FR61.8付近まで落ちてきたので下降の力もまぁまぁあるので、注意深くエントリーしようと思う場面です。

買い目線に決めたのに、買いを控えた相場

ところが、押し目を付ける前に上昇が止まったのが、下降に対してのFR38.2付近で複数回止まったのです。ややこしい形になりました。

売りたい勢から考えるととてもいい売りのポイントになっているのです。

しかもそのあとは、上昇のFR38.2付近を押し目として再エントリーを狙っていたのですが、上昇をすべて戻されてしまいました。上昇の力が否定された形となりました。

これを確認して、買いシナリオをやめました。

その後観察していると、上昇が否定された後なので、上昇の力も弱く200MAを上回っていけずに、下降していきました。

買いを控えて正解でした。

トレードの目線を決めるときには横軸である時間軸も重要。その上で決める。

今回は売り買いの目線を数値だけでなく、横軸である時間軸も考慮し、値動きの勢いを考えて目線を決めました。

結果的には、トレードを控えた結果になるのですが、チャート上の証拠を見て、トレードする場面か控える場面なのか判断できるようになると、失敗が減って裁量トレードが上達していくことにもつながります。